甲状腺治療・睡眠時無呼吸症候群

甲状腺の病気と症状

喉ぼとけの下にある甲状腺は、体の発育や新陳代謝を促す甲状腺ホルモンを作って血液中に分泌しています。主に海藻に含まれるヨード(ヨウ素)から作られる甲状腺ホルモンは一定の量に保つ必要があり、多くても少なくてもいけません。そのバランスが崩れるとさまざまな症状が表れ、治療が必要になります。甲状腺ホルモンの異常は、次のような症状でわかります。

甲状腺ホルモンが多い場合=甲状腺機能亢進症

  • 疲れやすく、だるい
  • 甲状腺が腫れている
  • 髪の毛が抜ける
  • 暑がりになり、水をよく飲み、異常に汗をかく
  • 脈拍数が多く、動悸や息切れがする
  • 食欲旺盛で排便の回数が増える
  • いらいらしやすく、落ち着きがなくなる
  • 不眠症になる
  • 微熱が続く
  • 眼球が出て来る

甲状腺ホルモンが少ない場合=甲状腺機能低下症

  • 疲れやすく、だるい
  • 甲状腺が腫れている
  • 髪の毛が抜ける
  • 体が冷え、寒がりになり、汗が少ない
  • 脈拍数が少なく、気力がない
  • 顔や手がむくむ
  • 気力がなく、物忘れが激しい
  • 昼間も眠くてたまらない
  • 便秘がちになる
  • 筋力が落ち、動作が鈍くなる

甲状腺の検査方法

問診を行い、自覚症状の有無、病気の経過、既住歴、家族歴、ヨード(昆布やわかめ、ノリに含まれるヨウ素)の取り過ぎがないかを確認します。さらに、触診で甲状腺のしこりの大きさ、形の異常などを調べます。その後、血液検査、超音波検査、細胞検査などを行います。
血液検査では甲状腺ホルモン値、甲状腺自己抗体、甲状腺機能異常がもたらす肝機能の検査、コレステロール値を測定。特殊な場合を除き、約1時間で結果が出ます。
超音波検査では甲状腺の大きさ、しこりの有無、性状などを調べます。腫瘤が良性か悪性か区別しづらいときは、細胞を採って顕微鏡で診る超音波ガイド下穿刺吸引細胞診を行います。また、動脈硬化を調べる頸動脈超音波検査によって甲状腺に病気が見つかることもあります。

甲状腺の治療

内服薬(抗甲状腺薬)による治療、アイソトープ(放射性ヨウ素)治療、手術の3つの方法があり、内服薬の治療から始め、その後、病状や年齢、社会的状況などによって他の治療を検討していきます。
アイソトープ治療や手術の必要がある患者さんには、専門の医師がいる病院をご紹介いたします。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時無呼吸

睡眠中に10秒以上の無呼吸といびきを繰り返すのが、睡眠時無呼吸です。呼吸が一時的に停止すると、血中の酸素が不足し、深い睡眠を取れなくなるため、夜中に何度も目が覚めたり、起床時に疲れが取れていないなど、しっかり体を休めることができなくなります。
この睡眠時無呼吸の状態が続くと、慢性的な睡眠不足に陥り、日中に強い眠気を感じたり、記憶力や集中力が低下したりしてきます。そうなると、仕事中はおろか、車の運転中にも居眠りをして、交通事故を引き起こす危険性も伴います。
さらに症状が進むと、高血圧や不整脈、動脈硬化を促し、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などの合併症を引き起こすリスクが増加します。
思い当たる症状がある方は、単なる不眠症、睡眠不足と考えずに、できるだけ早く呼吸機器を使った検査と治療を受けることが大切です。

睡眠時無呼吸の原因

喉が塞がってしまうことでいびきをかく「閉塞型」が最も多く、肥満の方があおむけで寝ると、空気の通り道である喉が狭くなり、呼吸がしづらくなることが原因とされています。「いびき」をかいて寝ている最中に、この空気の通り道が一時的につぶれてしまうことで、無呼吸の状態を引き起こします。
睡眠時無呼吸は高血圧や脂質異常症の肥満の方がなりやすい病気で、「首が太くて、首回りに脂肪がついている」、「下顎が後ろの方に引っ込んでいる」、「舌の付け根が大きい」など、体形が影響していることもあります。
ただ、まれに脳や神経、心臓疾患が原因で睡眠時無呼吸を招くケース(中枢型)もあります。この場合、閉塞型のように、喉が狭くなったり、塞がったりすることはなく、脳から呼吸するための指令が筋肉に届かないことが原因になります。

睡眠時無呼吸の検査と治療

睡眠時無呼吸の検査はご自宅でしていただくことが可能です。簡易測定装置を二晩装着していただき、睡眠中の状態を調べます。無呼吸や低呼吸が1時間あたり5回以上ある場合は、減量や飲酒など生活習慣の改善とともに、就寝時の無呼吸状態を解消するCPAP(シーパップ/持続陽圧呼吸療法)治療を行います。
CPAP(シーパップ)治療とは、病院が貸し出す専用のマスクを睡眠時に装着。空気を気道に送り込み、その空気圧で舌や軟口蓋を押し上げ、気道の閉塞を防ぐことで、無呼吸状態を解消するものです。このCPAP治療は検査基準を満たせば、保険が適応されます。治療を始めたら、毎月一度通院していただき、治療の状態や症状が改善されているかどうかの確認を行います。

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